口唇がん・口腔がん・中咽頭がん
切らずに治す小線源治療

お知らせ

2019年1月20日

ホームページを開設いたしました。

小線源治療とは

  小線源治療とは、小さな放射性物質(小線源)を直接、腫瘍内に埋め込む、あるいは腫瘍に近接させることによって、腫瘍に集中的に大量の放射線を照射する治療方法です。このため高い治療効果を得ることができます。
 また腫瘍とともに線源も動くため、腫瘍の生理的な動きを考慮する必要がなく治療範囲を小さく設定できるため、正常組織への放射線量を少なくすることが可能であり、副作用の発生を低く抑えることができます。
 
 小線源治療は、1898年Curie夫人がラジウムを発見したことに幕を開けます。1900年にはそのラジウムを用いて小線源治療が行われた記録があり、第二次世界大戦前においてはがんに対するほとんど唯一の根治的治療だったようです。
 
 現在、小線源治療に用いられる線源には1時間あたり0.4-2Gy程度を照射する低線量率線源と1時間あたり12Gy以上を照射する高線量率線源とがあります。日本では低線量率線源としてヨウ素(I-125)シード、イリジウム(Ir-192)ピン、金(Au-198)粒子が前立腺がんや口唇がん、口腔がん、中咽頭がんに用いられています。高線量率線源にはイリジウム(Ir-192)やコバルト(Co-60)が使用されますが、医療者の被ばくの観点から線源を直接保持できず、後充填法(Afterloading法)が採用されておりRemote After-Loading System(RALS)という、体内に留置したチューブに遠隔操作で線源を送り込むシステムによって照射されます。この方法では子宮がんや前立腺がん、乳がんを中心に治療が行われています。